「変わりたい」という衝動の裏側
新しいカレンダーを壁に掛けた時、「今年は今までとは違う年にしたい」という思いが強くなることがあります。 現状に満足していないわけではないけれど、何かが足りない。 このままでいいのだろうか。 そんな漠然とした不安が、「転職しようか」「引っ越そうか」「新しい習い事を始めようか」という大きな決断へと、あなたを急き立てるかもしれません。
「善は急げ」という言葉もあります。 しかし、こと1月に関しては、「急いては事を仕損じる」という言葉の方を、私はお守りとして持っておいてほしいと思うのです。
なぜなら、1月の私たちは、自分が思っている以上に「不安定」だからです。 寒さによる自律神経の乱れ、日照不足によるセロトニンの減少、お正月明けの現実とのギャップ。 これらの要素が重なり、思考がどうしてもネガティブな方向や、極端な方向へと偏りやすい時期なのです。
霧の中で舵を切らない
七命図という地図の上で季節を見ると、1月はまだ「夜」や「冬」のエリアに位置しています。 あたりは暗く、霧がかかっているような状態です。 そんな視界の悪い中で、人生という船の舵を大きく切るのは、とてもリスクが高いことだと思いませんか?
「今の職場が嫌だ」という感情も、もしかしたら環境そのものの問題ではなく、単にあなたのメンタルが一時的に落ち込んでいるから、そう見えているだけかもしれません。 春になり、霧が晴れて視界がクリアになった時、「あれ、意外とここも悪くない場所だったな」と気づくこともよくあるのです。
今感じている焦りや不安は、直感というよりは、「寒さからくる心のエラー」である可能性が高い。 そう疑ってみる視点を持つことが、あなた自身を守ることにつながります。
「保留」という立派な決断
では、このモヤモヤとした気持ちをどうすればいいのでしょうか。 おすすめしたいのは、「春分の日までは決めない」と決めてしまうことです。
「やめる」のでもなく、「やる」のでもなく、「保留する」。 これもまた、立派な一つの決断です。
判断を先送りすることは、逃げではありません。 土の中で種を寝かせるように、自分の本当の気持ちを熟成させる時間です。 「今はまだ、答えを出さなくていい時期なんだ」と自分に許可を出してあげるだけで、焦燥感はずいぶんと和らぐはずです。
情報収集をしたり、人に話を聞いたりする「準備」は進めても構いません。 ただ、ハンコを押したり、辞表を出したりする「決定打」だけは、もう少し暖かくなるまで待ってみてください。
春の光の中で、もう一度考えよう
梅の花が咲き、桜の便りが聞こえる頃。 あなたの心も、今よりずっと軽やかで、柔軟になっているはずです。 その時にまだ「変わりたい」と強く願っているのなら、それは本物の直感であり、進むべき道なのでしょう。
人生の重要な岐路だからこそ、一番コンディションの良い自分で選び取ってほしい。 だから今は、焦らずに。 温かいスープでも飲んで、じっくりと作戦会議を続ける時期にしましょう。
正解は、逃げたりしませんから。 あなたのタイミングで、ゆっくりと捕まえにいけばいいのです。
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